株の確定申告、必要な人はどんな人?損益通算・繰越控除を調べたら奥が深かった
口座開設の記事で、「特定口座(源泉徴収あり)にしておけば確定申告が不要になる」とサラッと書いた。
でも、じゃあ確定申告が必要になる・した方がいいのはどんなときなのか、ちゃんと調べたことがなかった。「不要」で思考停止していたけど、掘ってみたら普通に奥が深かった。
特定口座(源泉徴収あり)は、なぜ申告不要なのか
まず前提から。特定口座(源泉徴収あり)を選んでいると、証券会社が口座の中で自動的に損益を計算し、税金を天引きしてくれる。
同じ口座の中なら、利益と損失、さらには配当金も自動的に相殺(=損益通算)した上で税額が決まる。だから「特定口座(源泉徴収あり)を1つだけ使っている」という一番シンプルなパターンなら、基本的に確定申告は本当に不要。
でも、確定申告した方が得なケースがある
ここからが今回の本題。確定申告してもいいし、しなくてもいいというケースが実はいくつかある。
ケース1:複数の証券会社を使っている
A証券で利益、B証券で損失が出た場合、これは自動では相殺されない。それぞれの口座内で別々に税金が計算されるだけ。
でも損益通算のために確定申告すれば、A証券の利益とB証券の損失を合算できて、払いすぎた税金が戻ってくる可能性がある。複数の証券会社を使い分けている人は、ここを見落とすと損する。
ケース2:年間トータルで損失が出た
その年、結果的に損失の方が大きかった場合。確定申告することで、その損失を翌年以降3年間、繰り越して将来の利益と相殺できる(繰越控除)。
たとえば今年50万円の損失が出て、来年30万円の利益が出たとする。繰越控除を使えば、来年の30万円の利益は「まだ引ききれていない過去の損失」と相殺されて、税金がかからない。
繰越控除には落とし穴がある
ここ、初心者的には結構重要な注意点だと思った。
繰越控除を使うには、損失が出た年だけじゃなく、その後の3年間、売買を一切していない年でも毎年連続して確定申告を提出し続ける必要がある。
途中で1年でも申告を忘れると、それまで積み上げてきた繰越控除の権利が消えてしまうらしい。「今年は取引してないから申告しなくていいや」が一番やってはいけないパターン、ということになる。
NISA口座の損失は「なかったこと」になる
これが今回一番「え」となったポイント。
NISA口座で損失が出た場合、その損失は特定口座・一般口座の利益と損益通算できないし、繰越控除もできない。
理由は単純で、NISA口座の取引はそもそも非課税——つまり税務上「利益も損失も存在しない」という扱いになるから。NISAは利益が出たときは丸ごと非課税という大きな恩恵があるけど、その裏返しとして、損失が出たときの救済措置は一切ない、という設計になっている。
「NISAでも損したら他の口座の利益と相殺できるだろう」と思い込んでいたら、痛い目を見るところだった。
自分の場合はどうなのか
今のところ自分はSBI証券1本で、NISA(源泉徴収に関係なく非課税)と特定口座(源泉徴収あり)を使っている状態。複数口座も使っていないし、大きな損失も出していないので、当面は確定申告が必要になる場面はなさそう。
ただ、今後証券会社を増やしたり、大きく含み損を抱えて売却したりしたら、この記事で調べた知識が急に必要になる気がする。そのときになって慌てないように、先に調べておいてよかった。
※ 税金の話は個人の状況によって細かく変わるので、実際に確定申告が必要かどうか迷ったときは、国税庁のサイトや税理士に確認するのが確実です。