ナンピンって何?「下がったら買い増す」の甘い罠を調べたら怖くなった
株の話をしていると、やたら出てくる言葉がある。
「そこはナンピンでしょ」 「ナンピンして地獄を見た」
同じ言葉なのに、片方は得意げで片方は死んだ目をしている。**なんなんだこの用語は。**気になって調べてみたら、初心者の私がまさに一番やらかしそうなやつだった。
ナンピンは「下がったら買い増す」こと
ナンピン(難平)とは、買った株が値下がりしたときに、さらに買い増して平均取得単価を下げること。漢字で書くと「難を平らにする」。なるほど字面はかっこいい。
具体例で見るとわかりやすい。
- 1,000円で100株買った → その後800円に下落(含み損2万円)
- ここで800円で100株買い増す
- すると平均取得単価は (1,000 + 800) ÷ 2 = 900円 に下がる
さっきまで「1,000円に戻らないとプラスにならない」状態だったのが、「900円に戻ればプラス」になる。おお、たしかに難が平らになってる。株価が戻りさえすれば、だけど。
甘い罠はここから
……で、この「株価が戻りさえすれば」がクセモノだった。
もし800円からさらに600円まで下がったら?さっき買い増した分もまるごと含み損になる。しかも投入した金額は倍。傷が浅くなるどころか、倍のスピードで深くなる。
調べてみると、ナンピンには「下手なナンピン素寒貧(すかんぴん)」という有名なことわざまであった。素寒貧=一文無し。昔の人も同じ失敗をして、わざわざ標語にして後世に残してくれていたわけだ。ありがたいような、こわいような。
なんでみんなやってしまうのか
ここで以前調べた話とつながった。人は損切りができない。「今売ったら損が確定する。でも買い増して平均単価を下げれば、まだ取り返せるかも」——この心理が、ナンピンのアクセルを踏ませる。
でも冷静に考えると、これって塩漬けやシコリ玉を自分から増やしにいってる行為でもある。下がっている株には下がっている理由があるかもしれないのに、「安くなった!」と喜んで買い増してしまう。怖い。
「良いナンピン」もあるらしい
とはいえ、ナンピンが全部ダメというわけでもないらしい。
- 業績は良いのに地合いで下がっただけの株を、計画的に買い増すのは戦略的なナンピン
- 逆に、下落の理由も調べず、感情で「安くなったから」買い増すのが素寒貧コース
つまり違いは「下がった理由を説明できるか」だけ。……いや、それが初心者に一番難しいところなんだよなあ。
結局、ナンピンは道具でしかなくて、使う人間の冷静さが試されるやつだった。私が今これをやったら、たぶん高確率で素寒貧側に立つ。もう少し株がわかるようになるまで、この技は封印しておこうと思う。まあ、封印できる自信もないんだけど。